東日本大震災被災地支援報告 vol.07 2011年06月(慰霊祭、牡蠣の仕掛け作り作業)
季節は夏。すでに、初めてこの地を訪れた時から3カ月が経ち、この度、第7回支援の日であった6月18日で震災から百カ日を迎えました。 石巻市内では大きな慰霊祭が行われ、我々が度々訪れ復興支援をする浜でも「皆で共に祈りたい」というお声があがりました。
浜で亡くなられた方のご遺族、そして仲間の皆さんが、浜に集い、小さいながら心込めて行われた慰霊祭となりました。いくら言葉を尽しても、皆さんの想いを代弁することは決して出来ることはありません。故人のご家族の船を繋ぐ止め石の上に、全員が一つ一つ手向けた花々は最後にご家族とご友人の手で、波の間に放たれ、私達を見下ろしていた二羽のカモメが飛び立って行きました。「いつも、そうだったね。いつも私達を待たせて・・・」
まだ見つからない、その方への言葉が皆の涙と共に、波の間に間に静かに消えて行きました。 この3カ月、触れ合う度、語り合う度、浜の皆さんの心から流れる涙を幾度となく感じ、共に言葉交わし抱き合って、止まらぬ涙を拭って来た日々でした。
今、それでも進んで行く時の中で、昨日まで離れた地で知らぬ同士だった者たちが、出逢い、触れ合って、新たな絆を築こうとしています。
全国から集う本会のメンバーも、牡蠣養殖の為の仕掛けを、浜の皆さんと協力してせっせと作るうちに、少しずつ手慣れて来た様子です。少しでも力になりたい、小さな力でも、やがてその思いは、想いを同じくする人々の心と共に、この浜の復興、そして牡鹿半島の復興、宮城県の復興、東北の復興へと繋がって行くに違いない。それはやがて、この日本という国の持つ力強く美しい誇りと精神の復興へと波及するに違いない、私達はそう思っています。
慰霊祭の翌日の6月19日、晴れ渡った空の下、浜には本会が復興機材として依頼し心待ちにしていたフォークリフト第2号機、3号機が届きました。これらの贈呈を浜の皆で祝い、復興に向けて皆が大きな声を上げました。パソコン3台も贈呈することが出来、リフトはその場ですぐに活躍の場を得、パソコンも皆が訓練し復興の為の大きな力を発揮する道具となってくれることでしょう。
浜には今、瓦礫の風景の中に、皆で協力して作る養殖の仕掛けが積み上げられています。それは、この浜が動きだしたというメッセージでもあります。通りかかる他の浜の皆がそれを見ている筈。漁師の一人は「この浜が立ち上がった、負けてらんねえ、とみんな思ってるっちゃ」と。宮城弁で「負けねえっちゃ!」を浜の皆と私達の合言葉に、これからも支援は続きます。

魚市場にて支援物資として持っていく魚を購入しました。この市場も震災時は大変だったとのことでした。

支援物資として野菜、缶詰、魚を届けました。英気を養い復興へのエネルギーに変えてください!

「お礼がしたい」と漁の網で作った手作りのミサンガをメンバーひとりひとりの手に巻いて下さいました。感激。

積み上がった牡蠣のしかけ。浜の女性たちと共に只黙々とつくる。

座る場所がないメンバーは立ちながら只管、仕掛けづくりを行ないました。

休憩中の作業場の様子。ほたての貝殻が積み重なるその場所にまだ皆の熱気が残っているようでした。

作った牡蠣の仕掛けはフォークリフトにて移動し保管される。皆の思いの沢山詰まった仕掛け。

震災3カ月後の初日。「共に祈って欲しい」と浜の皆で慰霊祭を行なう。献花、御焼香の後、般若心経を唱え、亡くなった仲間が安らかであるよう祈りました。

慰霊祭で献花した花を海に流す。波に揺られながら静かに流れていきました。家族や友人たちの祈りに見守られて。

避難所にいる子どもたちに今何が不足しているか調査を行ないました

復興機材としてフォークリフトを前回に引き続き2台贈呈しました。このフォークリフトが大活躍してくれることを祈ります。

最終日、フォークリフト2台に加え、ネット販売を行なうために必要と言われていたパソコンも贈呈。「浜の皆さん、力を合わせてこの危機を乗り越えて!」

帰り際にお互い手を振り合いました。仲間との暫しの別れに少し寂しさを感じながらその場を後にしました。

まだまだ瓦礫撤去中の地区。少しずつ復興へ向け変わっていく。

瓦礫が撤去され土台のみが残された景色。最初の雑然とした景色とは本当に見違えました。

この辺には家が密集して建っていたとのこと。無残な姿が残っている家が数棟残っているだけで、他は家の土台と瓦礫があるだけでした。それでも最初とは見違えるほどに撤去されてきました。

港の様子。津波の恐ろしさが如実に伝わってくる。それでも、必ず復興できると信じ一歩一歩前に進むのみです。応援しています。

東日本大震災支援活動 被災地の光景

前回支援にて泥をかき出した船倉庫にて。壊れた漁具の修理も皆の手で行ない笑顔の戻った漁師の方と並んで。

震災から3カ月経った今、日常の様々な思いを話される方が多く、お話を聞くことも大切な支援の一つです。

作業場で。浜の皆さんとメンバー。