東日本大震災被災地支援報告 vol.21 2013年01月(故郷の復興を心に誓う子供たち)
今後10年間の復興・復旧事業
石巻市によると、震災による被害状況は死者3,140人、行方不明者452人、全壊22,357棟、半壊11,021棟、一部損壊20,364棟(H24年11月末現在)と報告されています。同市は、平成23年12月に今後10年間(目標H32年度)の「石巻市震災復興計画」を定め、今後10年の復旧・復興事業には国・県の施工事業を含めると、その費用は1兆円を超えると見込まれています。
当会が支援する中学校は、現在、3年生19人が受験及び卒業に向けて動きを加速する一方で、生徒数減が著しく平成22年度(開校時)からの推移は、102人→68人→50人(現在)→44人(新年度)と、基盤が固まらぬうちに震災に見舞われ常に変化への対応に追われ続けています。高齢化が進むこの地域は、震災を契機に、都市部への流出が進み、さらなる過疎化を招いています。
当会が支援したペンライトは生徒達全員が通学時に携帯。街灯も歩道も整備が手付かずの中、安全確保の上でとても助かっているとのこと。
支援している卒業生M君は厳しいサッカーの練習も頑張り勉強の方は「少し苦戦している(笑)」とのこと。家は現在漁が出来ず牡蠣も不作と。 また、食糧支援中の家族からは「本当に助けられて感謝しています。どうやってお返ししたら良いのかといつもお父さんと話しています」と言葉を貰いました。
被災地中学生たちの取り組み
東北大震災後、我々が支援をしている「O中学校」の生徒さん達から、いきいきとした報告が届きました。
沢山の生徒さんたちの写真の中には、震災直後に触れ合った子供達の顔もあります。 逞しく成長している姿をみて、心から嬉しく思いました。
故郷を愛し、そして故郷に住む皆を元気づけようと頑張っている、O中学校の生徒の皆さんの一生懸命な取り組みについて、是非お読みください!!
笑顔創造プロジェクト
私たちO中学校では、震災で活気がなくなってしまった地域の笑顔を取り戻すため、「笑顔創造プロジェクト」という計画を立て、総合的な学習の時間で実施しました。全校生徒50名が9班に分かれ、話合い自分たちができることは何かを考えました。
「おしカルタ」という牡鹿に関わるカルタを制作し、保育所を訪問し園児と遊んだ班や、ご当地キャラづくりをしたり、福祉施設や仮設住宅団地での「よさこいソーラン侍」の披露、また、餅つき大会、学校周辺のゴミ拾い、給食センターへの訪問などを行いました。
よさこいソーラン侍
私たちの班では、福祉施設や仮設住宅団地でのよさこいソーラン侍を披露しました。「よさこいソーラン侍」とは、O中学校の伝統にしていこうとしている踊りです。その踊りで地域の人を笑顔にしたいと考え、学校行事などに参加できない施設などを訪問しました。
実践日当日、私たちが踊りを踊ることで、地域の方々は、涙を流しながら見てくださった方もおり、いたるところで笑顔があふれ、とても充実した活動でした。福祉施設では、おじいさんやおばあさんに声をかけられ、私たちまで元気をもらいました。
獅子風流
「獅子風流」とは寄磯地区の青年団、実業団の男性が行う伝統行事です。 写真に出ている獅子を「安波大杉大明神、悪魔を払ってよーいさらー」と掛け声をつけて舞い、家や人の中にいる悪魔を払うという行事です。
震災前は、3日間かけて一軒一軒の家を巡回していましたが、今年から2日間になり、仮設住宅ではまとめて獅子風流する形になりました。
獅子風流1日目は獅子が祀ってある神社から始まり、一軒一軒巡回し、その日の最後の家に獅子が泊まることになっています。2日目は、昨日の最後の家から始まり、最後は神主の家に戻り、獅子風流が行われます。
大黒舞
黒舞とは、寄磯地区で伝統として、1月上旬に行い、その一年に幸福が訪れるようにと踊るものです。大黒舞は小学生と中学生が行います。
今年は小学生7 人、中学生3人、計10人で行いました。
小学生は、七福神の恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁才天、福禄寿、寿老人、布袋の七役で大黒舞、大漁節、ソーラン 節、甚句、ふるさとさん、だいちゃんという舞を踊ります。
しかし、年々子供の人数が減ってきているため、来年から女子も参加し一緒に行う予定になっています。